津山市立中正小学校

カッパのほねつぎ



深(ふか)いふちや池には、ゴンゴがいます。
ゴンゴは5つ6つの子どものようなかっこうで、あたまにさらをの
せ、水の中に住んでいます。 たいへん力もちで、子どもが1人で
水あびをしていると、引っぱりこんで、血をすうそうな。

  だから、深いところで泳いではいけないと、年よりの人からいわ
れていました。 このゴンゴ、じつはこのあたりでのカッパのよび名
なのです。


 このカッパは右手と左手がつながっていて、右手を出すと、左手
がひっこみ、

左手を出すと、右手がひっこむというように、べんりにできています
が、 陸にあがって、水がかわくとよわくなってしまいます。


  そのカッパが、あるとき、中北下(なかぎたしも)の方にあらわ
れたのです。 神谷真寿美さんのおじいさんが、山に仕事に行って
いると、草むらの中から、 泣きこえ声がしていました。なんだろうと
見ると、カッパが一ぴき泣いているのです。 どうしたのかと聞くと、
足をけがして動けないということです。

  あまりかわいそうなので、家につれてかえって、くすりをつけて
やりました。 カッパはたいそうよろこんで、、おれいを何回もいっ
て、川にかえりました。

  それから、しばらくして、その家の子どもが骨をおってしまいま
した。 医者(いしゃ)はないし、こまっていると、一ぴきのカッパがき
て、

 「わたしは、この間たすけてもらったカッパです。そのおれいにカ
ッパの骨つぎ法を教えましょう。」

といって、子どもの骨をなおしてくれたうえに、骨つぎのしかたを教
えてくれました。 それからその家では、骨つぎ法をずっとつたえて
きたそうです。